ぱいんべあ

たかがつぶやき、されどつぶやき。気が向いたら見てください。

日本のアイヒマン実験

現在では倫理的な問題から禁止されている有名な心理学の実験がある。そのひとつに,「アイヒマン実験」と呼ばれるものがある。これは,権威者を前にすると人間が服従するというものだ。ナチスの役人であった「アイヒマン」から名前が来ている。

 

その詳しい内容に関しては面倒なので割愛するが,結果だけ述べるとこうだ。

 

人間は自分が思っている以上に盲目的になりやすく,簡単にマインドコントロールされて,権威の前に服従・屈服してしまった。そして,少し考えればわかるようなことも考えられなかった。

 

ということだ。電気ショックを初対面の人に与えるように権威者から命じられるのだが,最高出力の450Vまで半数以上の人がスイッチを入れたというのだから恐ろしい。

 

というか,450Vがどんなものなのか想像もつかないが…。

 

とはいえ,これは何もナチスという過去のものだ,というわけではない。時事に疎いせいか,最近ではあまり耳にしなくなった日大のタックル事件だが,話を聞く限りでは,アイヒマン実験ナチスとさほど変わらない。

 

権威は至るところにある。その最たる例が科学ではないか。私は科学を否定する気もないし,科学の恩恵を預かりながら生きている。でも,科学が無意識的に権威づいていることを忘れてはならない。

最強の矛と最強の盾で勝負する

毎日をちょっと振り返ってみると、

”矛盾”が山ほど存在しているな、と感じる。

 

この人の行動はちょっとありえないわって思うことを

意外と自分もやっていたりする。

 

大人数では意見が言い出し辛いだろうから、と言って、

紙媒体でコミュニケーションを取ろうとする人が

部屋の温度が暑かったり寒かったりしたら、

暑い寒いとアピールしてね、と言う。

 

もう好きじゃないって思っているのに、

いざその人を目の前にするとなんか複雑な心境になる。

 

昨日言っていることと今日言っていることが違う。

 

でもね、

矛盾していることがいつもいつも悪いとは思わない。

一貫性ばかり気にしているのは、むしろ滑稽なときさえある。

 

もちろん、矛盾しちゃいけないこともある。それもまた事実。

 

だけど、私たちは色んな考えの引き出しを持っていて、

そこから最適解を持ち出してくることをするわけだ。

 

合理的にきちんと説明できる矛盾なら、

それはそれでいいのかな、と思う。

 

でも…

人間って、ちょっと複雑にできすぎてるよね(笑)。

代表という看板

今日、引き出しを漁っていたら、パスポートを見つけた。

失くしていたわけじゃないけど、忘れてはいた。

そんな久しぶりの再会を楽しみながら、

初めてパスポートをもらったときのことを思い出した。

 

免許証も持っていなかったし、身分証明になるようなものは初めてで、

なんだかちょっとわくわくしたんだ。

 

でもそんな反面、少しばかり怖かった。

 

国内線の飛行機は乗ったことあったから、怖くなかった。

海外のこともあんまり想像できていなかったせいか、怖くなかった。

 

ただ、自分が日本人の代表だってことを感じて怖かったんだ。

 

初めて口にする焼きそばがマヨネーズ味だったら、

焼きそばとはマヨネーズ味の炒めた麺だと認識する。

初めて利用する公衆トイレが最新式のアラウーノだったら、

公衆トイレとは勝手に開く超綺麗なトイレだと認識する。

 

たとえそれが、すごくレアなケースであったとしても。

 

つまり、

初めて日本人を目にする人にとって、私は”日本人”の代表。

パスポートは、そのくらい責任が伴うものだと痛感した。

 

もちろん、初めてに限った話ではないのだけどね。

 

 

私たちは様々なところに所属している、国、都道府県、会社、学校、家族…。

代表ってのは、何も選ばれし者だけの話ではない。

 

常に私たちは何かの代表の看板を身につけて生活しているのだ。

そのことを、忘れてはならない。

最初の一歩

言葉は、一度放つと回収できない。

だからこそ、ひとつひとつ丁寧に選ばなければならない。

 

本来は責任の所在を明らかにするべきなのだろう。

私が何処の誰で何をしている人なのか、何かを語るにはその必要がある。

 

でも、

私が何処の誰で何をしている人なのか、そんなことはどうでもいい。

私を見てほしいのではなくて、私の語りを共有したい。ただそれだけだ。

怖いから?いや違うよ、無駄な偏見を排除したいからだ。

 

…いや、

排除したいのは事実だが、真実ではないのかもしれない。

本当はただ怖いだけなのかもしれない。

だとしたら、少しばかり寛大な目で見てほしい。

 

 

少しでも、実りある話ができたら、幸い。それでは。